2020/02/17 10:23

山本真裕さま著作「空手であるために-沖縄での発生とその思想について」が発刊されました。

山本さまは北海道に産まれ、東海大学工学部建築学科を卒業後は一級建築士として活躍する一方、大学時代から始めた少林流の流れを汲む空手を始めました。やがて国際沖縄少林流聖武館空手道協会に入門し、普及活動に邁進する傍ら「空手」の真髄に迫るべく、そのルーツと成り立ち、空手の在り方について研究をされてきました。

そして約45年に亘る空手人としての集大成ともいえる「空手であるために」の発刊となったわけですが、実は脱稿された頃にはすでに余命を宣告されていたのです。

自費出版のご相談を受けた際にはそのようなこととも知らずに、悠長なスケジュールを組んだ私はその後、山本さま病状を知ることとなりました。早く発刊しなければ…と私はスケジュールを前倒しし、山本さまにおいては最後の力を振り絞り、責了となる最終校正の作業を終えられました。

ところが一週間後の上梓を待たず、山本さまは帰らぬ人となられてしまいました。それでもお通夜には間に合わせたいという奥様やご子息様たちの想いを製本所に伝え、なんとか間に合わせていただくことができました。

遺作となってしまった「空手であるために」ですが、山本さまの空手に対する情熱、文化として継承させていく責任感など、さまざまなところにその想いの深さが感じられます。

山本さまのご冥福をお祈りするとともに、より多くの方に読んでいただき、その想いが伝わることを願っています。